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“Xジェネレーション”が百花練乱する90年代のパリ

80年代にひとつの頂点を極めたパリコレクションですが、テクニックとしての完成度や贅沢な高級感あふれる素材使いによって年々価格も急騰し、60年代後半にあったプレタポクルテ本来の精神は次第に形骸化していきました。90年代に入るとパリでは、“Xジェネレーション”とも呼ぶべき“ポストプレタポルテ世代”の若手気鋭のクリエイター達への関心度が高まっていったのです。意外なことにその先鞭をつけたのは“アントワープの6人”と呼ばれるベルギー出身のクリエイター達でした。マルタン・マルジェラ、ドリス・ヴァン・ノッテン、アン・ドゥムール・メステール、ウォルター・ヴァン・ペイレンドンク…。彼らは皆アントワープ王立芸術アカデミー出身のグループです。そもそもベネルクス三国という上壌はヨーロッパ典型の服飾文化の影響をさほど受けなかった国です。そこにコムデギャルソンやヨウジヤマモトのいわゆる“束からの衝撃”を目の当たりにして、本来潜在的に持っていたアーティスティックな方向へとファッションデザインを向かわせたのではないでしょうか。彼らアントワープ出身デザイナーの多くが“狂信的な川久保、山本信者”であることからも推察されます。