アーカイブ

化学物質まみれでも「有機」だったり……

2001年4月に施行された改正JAS法で、有機農産物およびその加工品は、認証制度のもとで生産・流通・販売されるシステムに変わりました。有機農産物の表示について、世界基準に則した厳しい基準が設けられることになったのです。大ざっぱにいうと、果物なら3年以上、野菜や米は2年以上、農薬も化学肥料も使っていないことを、国に認定登録された認証機関により検査・認証されたものにしか、「有機」という表示はできません。認証品にはJASマークがつけられ、マークのあるものだけが「有機」とか、欧米のように「オーガニック」と名乗って販売できるわけです。これによって、まがいものの多かった有機農産物の区別が、やっとはっきりすることになりました。専門家の話では、新制度によって有機認定されると予測できる農産物は、現時点で全休の0.1%程度。有機農産物の対象となる穀物や野菜の全国の年間生産額を10兆円とすれば、金額にして100億円となります。あきれたことに、これまでの有機野菜の流通はそれをはるかに上回り、2000億円とも3000億円ともいわれていました。ということは、本当の有機農産物の20倍にも30倍にもなっていたわけです。農薬を使ったのが栽培初期だったから「有機」、有機肥料はちょっとだけ、あとは化学肥料でも「有機」という具合です。法規制のないガイドライン制度下で、いかにインチキ有機が出回っていたかがわかるというものです。有機野菜がこれほどもてはやされるようになったのは、アトピー性皮膚炎や喘息などのアレルギー患者の急増が、大きな理由の一つでしょう。野菜などに含まれる化学肥料や残留農薬、合成添加物などの化学物質がさまざまなアレルギーを引き起こすことは、すでにわかっています。14歳以下の子供の約4割が、何らかのアレルギー症状を抱えているという現在、有機農産物を求める声がますます高まるのは当然のことといえます。また、内分泌かく乱物質いわゆる「環境ホルモン」の問題も、見逃すわけにはいきません。健康への悪影響だけでなく、落ち着きがなくなる、学習能力が後退する、暴力的な行動に走る、などの障害を引き起こすともいわれていますが、微量な農薬が、環境ホルモンとして作用するという報告が、国内外の研究機関によって数多く出されているのです。そんな現在だからこそ、法の整備はもちろん、私たち消費者自身も自覚をもって、本当に信頼できる、安心して購入できる市場を育てていく必要があるでしょう。