次々報道される健康ニュースのどれを信じたらよいのかいっそルーレットで……しかし、問題はある。私達はあまりに多方面から多すぎるアドバイスを受けている。誰も全てのアドバイスに従うことはできないだろう。その上、多くのアドバイスは互いに矛盾している。どこかの研究である結論を出したかと思うと、一方では同じテーマで反対の結論を出す。アメリカ人がバターをやめてマーガリンに代えたとたんに、マーガリンの方が悪いという新しい研究が発表される。〈力ラス麦のふすま〉がコレステロール値を下げるという研究が出て、アメリカ人がようやく慣れて食べるようになった頃に、別の研究がそんな作用はないと示す。高カロリーの砂糖をやめて低カロリーのサッカリンに代えると、サッカリンは膀胱癌を起こすという研究が報道され、別の研究ではそれを否定する。ある研究でβカロチンとビタミンEが健康によいと公表されると、別の研究で、よくないどころか危険なこともあると言う。電磁場が白血病の危険増加と関係があると示す研究がある一方で、別の研究は白血病の危険増加は見出せないが、脳腫瘍の危険増加があると言う。閉経後にエストロゲンを摂取すべきかどうか悩んでいる女性は、エストロゲンが乳癌の危険を増加させるという研究を聞いた数週間後に、増加させないという別の研究を知ることになる。健康に注意を払っているアメリ力人は何を信じたらよいのか。メディアも時々そういう挫折感に共感する。あるいはそんな態度をとる。食生活ルーレットという表題で「ニューヨークタイムズ」紙はマーガリン/バター論争についての社説を掲載し、健康に留意するアメリカ人がこのルーレットゲームに勝てっこないと感じるのは当然だと述べた。コラムニストのエレン・グッドマン(EllenGoodman)は全ては仕組まれたものだと示唆した。今日では、医療ニュースには計画的に期限が設けられているように思われる。きょうの確実な治療法は、あすには毒の薬となる。新しい研究の賞味期限はオートミールの箱の賞味期限より短い”。グッドマンの借既は、本気というよりポーズだったのかもしれないが、確かに読者の感情に訴えた。
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