今仲介者に必要な人を見る眼。若い男女なり、その親やきょうだいなりから、縁談を依頼される人は、一応、社会的な地位もあり、経験もゆたかな人であるはずです。したがって縁談を依頼されたら、まず、その本人の容貌、性格、将来性から、その家庭状態、両親の性格ぐらいは正確に把握することができるでしょう。結婚相手を探す前に、まず本人のことを十分に知ることがもっとも大切です。自分がつねに接触していた教え子や部下であれば、本人についてはあるていど理解できていますが、家庭や両親についてははじめて知るという場合も少なくないでしょう。ことに男性の結婚相手を探すようにたのまれて、その本人が長男であり、将来、嫁がその両親とひとつ屋根の下で暮らすとなれば両親の性格も条件のひとつとして重視しなくてはなりません。そのために、かりにも結婚の仲介者となるには人を見る限がしっかりしていなくてはならないのです。写真と経歴書だけで本人の性格まで読みとるのはなかなかむずかしいことですか、自分の人生経験に照らし合わせてみると、意外にそのキイは見つけやすいものです。たとえば、父親の職業がサラリーマソと自由業ではその家庭の性格か大きくちがってきます。サラリーマンでも、公務員、教員などは地味ですが、大会社の高級社員ともなれば派手な生活をしているのが通例です。また、ひとくちにサラリーマンといってもマスコミなど文化的職業や技術家は、事務系統とちがって自由な進歩的な家庭であることが多いでしょう。早くから父と別れて母親の手ひとつで育てられてきた男性は、性質は温和で素直であるかもしれませんが、いわゆるママーボーイで、将来、妻よりも母のほうにつく、たよりがいのない夫になる危険性が十分ですし、一人娘で父親からとくに可愛がられて育った女性はとかくわがままになりやすく、夫となった男性か将来、手を焼くおそれも多分にあります。このように経歴書をよく検討することによって、あるていどの性格は予想されてくるもので、これが仲介者に要求される能力であるといえるでしょう。