考えてみると、ボロボロの顔をさらせるのもそれはそれで立派な愛といえるのではなかろうか。「旦那とはうまくいっていないんだ。もう末期なのよ」と嘆く彼女だけれど、夫婦の間には、恋人同士とは違う愛情があるという気がしてならない。以来、私は彼女から恋の話を聞いても、前ほどはうらやましいとは思わなくなった。ロマンティックな思いにはほど遠くても、ボロボロのヨレヨレをさらせる相手がいるだけで満足しなくちゃと思うようになったからだ。私のように気力体力共に乏しい女は、高望みせずにそれくらいで満足しておくべきだろう。最終的には責任を負ってくれる人と一緒にいるのは、刺激はなくても、安心がある。これぞ結婚によって得られる役得だ。こういう鉄壁の保険があるのって、悪くない。風邪をひくたびに夫に逃げられている私が、こんなこと言っても説得力に欠けるかもしれないが、ともすれば不安になりがちな毎日の中で、最終的に頼れる保険があるのって、やはりこれはこれで1つの幸福ではないだろうか。最近、若い人の間で保険に入るのが流行っているそうだが、それもやはり将来に不安を感じればこその行動だろう。そういう人たちに、私は言いたい。夫婦も一種の保険である、と。保険を勧誘するセールスレディみたいだけれど、掛け金もなしで人生を請け負ってくれる人の存在って、やはりしみじみありがたい。
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